●この問題は 立法行為に対する国家賠償法には適用しない
最高裁判決によると、いつ、どのような立法を行うかは国会の広範な裁量(自由に決める権利)であり、立法行為・立法不作為が違憲であるかどうかと、国賠法上の違法性の有無とは区別するべき。
この問題の場合は、「合理性のある区別」「合理的な立法」であって、上記には当てはまらない。
●「国籍条項」「経過措置を作らなかったこと」などは、憲法に違反しない
『合理的な区別』があれば憲法14条(平等原則)に違反しない。
憲法25条(生活保障)については、立法府の広い裁量権が認められている。
塩見訴訟最高裁判決で、国籍条項等は憲法違反ではないとされている。
国民年金制度において、まず日本国民を対象とすることには合理性がある。本国政府が責任を持つべきであり、また、掛け捨ての弊害を考えるなら、外国人を除外したことは合理性がある。
国籍要件撤廃は、難民条約批准にあわせた「人道的措置」であって、経過措置を作らなかったことは問題にならない。
81年当時すでに高齢となっていた外国人に福祉年金を支給すると、保険料を納付していなかった日本人が受給できないことと比べて、不当に外国人を優遇することになる。むしろ経過措置を作ったほうが不合理な結果を招く。
沖縄、小笠原等については、本来日本国民として枠内に位置付けられる者に対してのことで、在日韓国人等の場合とは本質的に異なる。
在日韓国・朝鮮人の歴史的経緯から対象に含められるべきであったという主張は、外国人を一律に除外するのが違憲・違法であるとする主張と矛盾している
また、在日韓国・朝鮮人が居住するに至った事情はさまざまであるし、戦後補償責任の法的根拠はない。国民年金の対象とするべきであったという結論にはならない。
●「国籍条項」「経過措置を作らなかったこと」などは、条約に違反しない
国際人権規約A規約2条1項にあるように、権利の漸進的(少しずつ)実現することをきめているのだし、それは各国の裁量にゆだねられている。各国にはそれぞれの事情があるので、A規約には自動執行力(裁判規範性)はない。
大阪の高齢者訴訟においてA規約2条2項はB規約26条と同趣旨にあるものとして、裁判規範性が認められるという判決がある。が、社会権の自由権的側面を認めるとしても、それが自由権と同様の内容をもつということにはならないので、これは間違っている。
B規約「一般的意見書」は、参考程度のものであり、法的拘束力もない。また、B規約議定書も批准していないし、規約委員会の審議権限の受託宣言もしていないので、日本に対する法的拘束力はない。
国民年金は社会権に属する。自由権(B)規約は適用されない。
ウィーン条約もB規約には適用されないし、ウィーン条約に対する解釈も間違っている。