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こちら側の最終準備書面要旨(2) ◆国際人権規約違反について国際人権規約A規約、B規約は、そのまま国内法的効力を有するし、裁判規範性をもつ。 規約委員会の「一般的意見」「見解」は、国際人権規約に対する解釈の補足手段となる。 B規約26条差別禁止規定は、「国籍」も含まれるし、社会保障の権利も含まれる。差別の含まれた法をそのまま放置することはB規約2条2項に違反する。 A規約2条2項の差別禁止条項は、即時実施義務があり、即時執行力を有する。 国籍を理由に年金制度から除外することはこれら国際人権規約に違反する。国籍条項撤廃後も差別状態を是正しなかったことも違反である。 ウィーン条約は、国際慣習法を規定しているものであり、国際人権規約の解釈においても指針となる。 また、個人の人権を守ることを目的とした条約である以上、人権の保護を促進、確保するように解釈されねばならないことは明確。 「一般的意見」は法的拘束力はない。が、それがすぐに「一般的意見」を尊重しなくてもいいということにはならない。規約委員会は各締約国の条約の履行を監視する唯一の国際機関であり、それが公にしている「一般的意見」「見解」は国際的に最も権威ある解釈であり、それを無視・軽視すること自体が国際法違反となる。 また、選択議定書を批准していないから従う必要はないという主張も、選択議定書は個人通報を認めるか否かの問題であり、「一般的意見」等の尊重とは関係ない。 A(社会権)規約が全て立法政策にゆだねられるものであり、「政治宣言」(目標)であるとしても、B規約26条(差別禁止)は適用される。 A規約2条1項「完全な権利の実現を漸進的に達成するために」と書かれているから、漸進的(少しずつ)であって、今すぐという意味ではないと国側は述べているが、「漸進的に達成」するのは、「完全な」実現であって、それ以下の「行動する義務」が漸進的という意味ではない。 A規約2条2項(差別禁止条項)は、即時的効力、自動執行的効力を持つ。 B26条の差別か否かの基準について、国側は憲法14条と同様「緩やかな合理性」の基準を当てはめるが、B26条の基準は厳しく立法裁量の余地はない。そのことはこれまでも規約委員会から何度か指摘されてきている。 在日韓国・朝鮮人はいずれ「本国に帰国する」可能性があるから、掛け捨て弊害を考えるなら国籍条項は合理性がある←国民年金法のできた1959年においてはもちろん、B規約発行の1979年には、もはや在日韓国・朝鮮人らの生活基盤は日本にあり、よほどの例外以外「いずれ帰国する」可能性は殆どないことは明らかだった。 本国政府が責任を持つべきである←上記の生活基盤の点からも、世界人権宣言の趣旨からも、「本国政府が」という主張は理由にならない。 在日外国人一般でいえば、「いずれ帰国する可能性」はある。が、その可能性が殆どない在日韓国・朝鮮人をその中に含ませて一律に除外するという「手段」は、その目的になじまない。 また、難民条約批准後にもなお必然的に生じる制度的無年金者をあえて残したことについては、「正当な目的」も理由も何もない。 国民年金制度は社会保障であって、国の広い裁量が認められるとする国側の主張に対しても、一旦成立した法の中に「差別」は決して許されないし、国民皆年金という構想からも、立法裁量の余地はない。 障害者訴訟の大阪高裁判決も、上記の諸点において間違っている。 B規約26条、A規約2条2項と同様に、憲法14条も、「国籍」などの本人にはどうにもならない事柄による差別を厳しく禁止していることは同じであり、より厳格な基準で審査されるべきであるという点では、差はない。 ◆憲法14条の平等原則「社会構成員皆年金」構想からしても、「平等保障の救済の一義性」からしても、給付を与えても与えなくてもいいとする裁量の余地はない。 外国籍の者に年金を支給しないことは重大な平等原則違反。 ◆立法不作為2005年大法廷判決によれば, 立法不作為が国家賠償法上違法となるための要件は,(1)国民に憲法上保障されている権利行使の機会を確保するために所要の立法措置をとることが必要不可欠であり,(2)それが明白であるにもかかわらず(3)国会が正当な理由なく長期にわたってこれを怠る場合である。 (1)・・・原告らが日本国籍を持たないがゆえに国民年金をはじめ社会保障のあらゆる分野で不当な差別を受けてきたことが, 憲法14条及び国際人権法に違反すること (2)・・・1979年国際人権規約批准の時にすでに大臣が国民年金法の国籍条項を解決すべきこととして答弁している。国会での議論や国民年金法改正時の附帯決議など、1985年には解決の必要性は認識されていた。 (3)・・・解決は容易であった。 「保険料を納付してこなかった日本国民が無年金となっているのと比べて外国人だけを優遇するということになる」という被告の主張は、沖縄や小笠原等にもあてはまるのであり、在日韓国・朝鮮人の場合だけそれが理由とされるのはおかしい。 以上のように違法となる立法不作為の要件は明確にある。 ◆原告らが受けた精神的苦痛について【原告一人一人の状況と精神的苦痛に付いて述べられていますが、簡単に「要約」できる内容ではなく、またこれまで傍聴に来られている方々はすでに原告自身の生の声でその内容を聞かれていると思い、ここではあえて省略させていただき、いかに最後の部分のみ掲載しました。陳述書全文はこちら。 最終意見陳述書(玄順任) 最終意見陳述書(鄭福芝) 】 こうした状況に置かれている原告ら在日韓国・朝鮮人は, 日本国籍を有する者との境遇と自らの置かれた境遇との違いを自覚せざるをえない。そしてそうした状況の違いを目の当たりにする都度,惨めで尊厳を踏みにじられる思いをし続けてきている。これにより, 原告らが精神的に甚だしい苦痛を被っていることは論を待たないのである。 原告の最終意見陳述 〜抜粋〜(どちらも最後の部分のみ抜粋しました)■ 玄 順任 ■ 私は1歳8ヶ月で日本へ来て、何の罪も無い子どもが働き子守をするために学校に行けず、いじめと差別を受けて苦労ばかりで働き続けてきました。80歳になろうとする今も働いています。なんぼ働いても苦しい生活を強いられています。私の人生はいったいなんだったのでしょう。 裁判長、良きアドバイスをお願いします。残り少ない私の人生を助けて下さい。最後の死に土産に年金をください。お願いします。 現在、障害者の息子と二人暮らしです。私の目も耳もよくないです。耳が悪いのは、織物の仕事をするときの機械の音のせいです。これから、まだ借金も返して生きていかねばなりませんが、いつまで仕事ができるかと思うと不安です。 最高学府で学ばれた裁判長ならわかるはずです。私たちが80年も日本で暮らし、日本に果たしてきている貢献と義務、そして、私たちの現状を見てください。事実と誠実に向き合い、裁判長の答えがほしいのです。 私たち旧植民地出身の被害者が、日本で死ぬまで「悪い」レッテルを貼られることなく、人間として当たり前の権利を保障されますよう、よろしゅうお願いします。 ■ 鄭 福芝 ■ 今、この年で原告になって訴えようと思ったのは、そういうことができるなら、やったらいいと思いました。日本国には、生活苦しいから年金くれと言いたい。政治家の未納未加入問題は、政治家はどうもないですます、とがめられない。 日本政府は、時と都合によって、私たち朝鮮半島出身の者を、「皇国臣民」にしたり、日本人でなくしたりして、私たちの運命を翻弄しているのではないでしょうか。 若いときに周囲の人たちが国民年金の日や言うて掛けているのを、どんなに羨ましく思ったことか、掛けたくても掛けられなかった私たちを助けて下さい。切にお願いします。 豊かな老後とまでは言いませんが、これまでこんなに一生懸命に働き続けてきたのですから、独居老人として人並みの老後を送りたいのです。 どうか、私たちの切なる願いを聞き入れて下さいますよう、お願いします。 |
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