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こちら側の最終準備書面要旨(1) こちら側の出した最終準備書面については、本文だけで76Pもある膨大なものです。以下に ごく簡単に要約しました。(文責: 支援する会・N) ◆はじめに原告らは, 日本の植民地支配によりもともと日本国籍であったものが,戦後日本国の一方的な通達により日本国籍を剥奪された結果,在日韓国・朝鮮人として,これまで国籍を理由とするいわれなき差別に苦しんできた。 長年日本国で定住し, 納税の義務を果たし, 地域社会の住民として共同体の一員を構成している。 原告らが老齢のため生活に困窮しているにもかかわらず, 今日に至るまで何らの救済も行わないという我が国の態度は, 余りにも身勝手かつ健全な社会常識に反するもの。 本件は, 社会保障立法における在日韓国・朝鮮人に対する国籍条項による差別の中で唯一最後に残された問題と言ってよく, 本件の問題を解決することが, 我が国が行ってきた在日韓国・朝鮮人に対する不当な差別政策に幕を閉じるための最後の課題となっている。 ◆在日韓国・朝鮮人の国籍と社会保障在日韓国・朝鮮人一世は, 日本による朝鮮半島の植民地支配の下で, 幼い頃に, 土地を奪われたり過大な税金をかけられたりして生活できなくなった家族とともに,やむを得ず渡日した人々である。そして, 植民地支配の下では, 戦場に狩り出されることも含めて, 否応なしに日本帝国臣民として扱われる日本国籍保持者でもあった。 日本の敗戦後、もはや朝鮮半島での生活基盤を失い、日本に残った人々は53万5065人いた(1952年)。日本政府はこの人々の日本国籍を一方的に奪い、「外国人」とした。そして、法的にもさまざまな場面で差別されてきた。 国民年金法が作られた時、「在日外国人」の9割以上が韓国・朝鮮籍の者であり、国籍条項とは実質在日韓国・朝鮮人を排除するものだった。 日本国籍をもたされ、奪われてきたことについて、在日韓国・朝鮮人らの意志に基づく選択の機会はなかった。その原因を作った日本政府が、『国籍』を理由に差別することには何の「合理性」もない。 日本社会に定着する在日韓国・朝鮮人が国民年金に加入できないことは誰の目から見てもおかしい。 そのことは、金鉉釣さんの例に見ることができる。金鉉釣さんは担当者に勧められて加入し、10年以上も保険料を払った。この件に対して東京高裁判決は年金の支給を命じた。社会保険庁もこれを受けて同様のケースに関しては支給するよう通達を出した。同様のケースは全国で81人もいる。 これは「担当者の勘違い」などではなく、『日本社会を構成する実態を有する在日韓国・朝鮮人が国民年金制度に加入できることは,それほどまでに極めて自然なことだった』のである。 1947年、外国人登録令により、在日韓国・朝鮮人はとりあえず『朝鮮』籍とされた。が、これは朝鮮半島出身者を示す用語でしかなかった。 1948年、大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が成立する。その後国籍欄を『韓国』に書き換えることを希望する者については「韓国」と記された。この「韓国」は「大韓民国」を意味するが、最初のままの「朝鮮」については、朝鮮民主主義人民共和国を意味するわけではない。 こうしたことを考えても、「在日韓国・朝鮮人の属する国家」などということが簡単に言えるわけはない。 また、国民年金法でも最初の対象は「日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の日本国民」とされていた。つまり、外国に住む日本国籍者は除外されていた。日本政府自身が「帰属国家責任論」に背いてきている。 ◆国民年金法の特質―社会連帯思想にもとづく「国民皆年金」とその普遍的性格国民年金法は、「生活の安定」を「国民の共同連帯」によって支える制度であると年金法にある。これは実質外国人も含めて「社会構成員の共同連帯」である。 「国民皆年金」構想は、国民年金と厚生年金(国籍条項はない)との「通算制度」を柱としていたので、国民年金に国籍条項があるのは重大な法の不備。 国民年金は、無年金者を無くし、国民皆年金を目的として、保険料を払えない者に対しても支給していけるように無拠出制をも含めて「社会保険」の枠から大きく離れた制度として作られた。 拠出制年金制度、無拠出による福祉年金、各年金制度間の通算措置が三本柱とされた。 税の一部も年金の国庫負担に当てられている。外国人も含めた社会構成員が保険料、税金を支払うことで、それを全社会構成員への給付に当てていく。そこには給付をある人には与え、他の人には与えなくていいという裁量の余地はない。 補完的福祉年金も、経過的福祉年金も例外的なものではなく、年金制度の重要な一環としてある。 沖縄、小笠原、中国残留邦人、拉致被害者・・・等、「社会構成員皆年金」を阻害していた要因が取り除かれると同時に、補完的・経過的福祉年金も含め「皆年金」構想のための必然的な措置がとられてきている。 最後の弊害、「国籍条項」の撤廃と同時に「社会構成員皆年金」のために必然的に経過措置がとられるべきであった。 こうした点から、制度発足時から「在日外国人を除外するのは合理的」とする国の主張は間違っているし、82年国籍条項撤廃は「人道的(恩恵的)」な措置ではなく、必然的なもの。 塩見訴訟判決も堀木訴訟判決も、上記の国民年金制度の特質を考慮に入れていないので、参考にはならない。 大阪高齢者訴訟第一審判決も、拠出制年金と無拠出制年金を分け、拠出制=原則、無拠出制=例外としてしまう誤りを犯している。 |
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